
はじめに
新しい年を迎えると、成人期の障がいのあるご本人を支える保護者の皆さまの中で、「この先の暮らしをどうしていこうか」「将来を見据えて動き始めたほうがいいのでは」「親が元気なうちに準備をしておきたい」と考える気持ちが高まってくる時期でもあります。
新年という節目は、一年を振り返り、これからの人生を考える大切な時期です。お子さんの年齢、ご自身の年齢、家族の状況。様々なことを考えると、「そろそろ次のステップを考える時期なのかもしれない」と感じる方も多いでしょう。
特に春は、生活環境や支援体制が切り替わりやすく、グループホームの利用開始を検討するご家庭が増えるタイミングです。4月は新年度の始まり。新しいことを始めるのに適した時期であり、支援サービスも年度の切り替えに合わせて調整しやすくなります。
しかし、「グループホーム」という選択肢に対して、保護者の皆さまは複雑な思いを抱えていることと思います。「本当にこれでいいのか」「本人は幸せになれるのか」「親として見放すようで辛い」「でも、将来を考えると今から準備しないと」。期待と不安、希望と葛藤が入り混じった気持ちでいらっしゃることでしょう。
有限会社リラックスでは、グループホーム事業を通して、ご本人が安心して地域で暮らし続けられるよう支援を行っています。一生涯にわたる支援を提供する中で、グループホームは人生の重要なステージの一つです。その中で、新年から春にかけて多くの方に活用いただいているのが「体験入居」です。
本記事では、新年に体験入居を検討する意味、体験入居の具体的な流れ、そして不安を軽減するためのポイントについて、成人障がい者の保護者の皆さまに分かりやすく詳しくご紹介します。
なぜ新年はグループホーム検討が増えるのか
新年は、気持ちを整理し、将来を考えやすい節目の時期です。次のような理由から、グループホームの相談が増える傾向があります。
年度替わり・春の環境変化を見据えやすい
4月入居を目指せる 新年の1月から動き始めれば、4月の新年度からの利用開始に間に合います。見学、体験入居、契約手続き。これらを進めるのに、3ヶ月という期間は適切です。
焦りすぎず、でも余裕を持って準備できる。この絶妙なタイミングが、新年なのです。
新年度の支援計画と連動しやすい 障がい福祉サービスは、多くが年度単位で計画を立てます。相談支援事業所との面談、サービス等利用計画の作成。これらも新年度に合わせて見直されます。
グループホームの利用開始を新年度に合わせることで、全体の支援計画がスムーズに進みます。
ご本人の年齢や将来像を改めて考える機会が増える
年齢の節目を意識する 「もう30歳になった」「もう40歳だ」。年齢の節目を迎えると、改めて将来を考えます。親も年を重ね、「いつまで自分が面倒を見られるか」という現実的な問題も見えてきます。
親の年齢、健康状態の変化 親自身の年齢が上がり、体力的にも精神的にも、今までと同じように支えることが難しくなってきます。「元気なうちに、次のステップを準備しておきたい」。この思いが、新年に強まります。
将来への不安の顕在化 「自分たちがいなくなった後、この子はどうするのか」。この不安は、年を重ねるごとに大きくなります。新年という節目に、この不安と向き合い、具体的な行動を起こそうとする方が増えます。
「今すぐではないが、準備は始めたい」という気持ちが生まれる
段階的な準備の重要性 グループホーム利用は、急に決められるものではありません。本人の気持ち、家族の気持ち、環境の準備。時間をかけて整えていく必要があります。
「将来的には」と考えている方も、今から情報収集や体験を始めることで、いざという時にスムーズに移行できます。
選択肢を知ることの安心感 「グループホームという選択肢がある」と知っているだけで、気持ちが楽になります。今すぐ使わなくても、将来の選択肢として持っておくことが、安心感につながります。
グループホームの利用は、突然決めるものではありません。だからこそ、新年という区切りの時期に、体験入居を通してイメージを持つことがとても大切です。「いつか」ではなく、「今から」少しずつ準備を始める。その一歩が、将来の安心につながります。
グループホーム体験入居とは
体験入居とは、一定期間、実際のグループホームで生活を体験していただく仕組みです。「お試し」と言うと軽く聞こえるかもしれませんが、これは非常に重要なステップです。
体験入居の目的
環境との相性を確認する 生活環境が合うか、部屋の雰囲気、音、明るさ、温度。実際に過ごしてみないとわからないことがたくさんあります。
写真や説明だけではわからない、肌で感じる相性。これを確認できるのが、体験入居です。
支援の内容や距離感を体感する 支援の内容や距離感はどうか。「どこまでサポートしてくれるのか」「どこまで自分でやるのか」。この感覚は、実際に体験しないとわかりません。
職員との相性、支援のスタイル。これらを確かめる機会です。
ご本人の反応を見る ご本人が安心して過ごせそうか。表情、言葉、行動。実際に過ごしてみた時の反応が、何よりの判断材料になります。
「楽しかった」「また来たい」と言ってくれるか。それとも、不安や抵抗を示すか。この反応を見ることが大切です。
家族の安心感を得る 保護者の方自身が、「ここなら安心して任せられる」と感じられるか。この実感が、何より重要です。
百聞は一見にしかず。実際に見て、職員と話して、雰囲気を感じることで、安心感が生まれます。
体験入居のメリット
「いきなり住み替えるのは不安」というご家庭にとって、体験入居は大きな安心材料となります。
失敗してもやり直せる 体験入居で合わなかったら、無理に入居する必要はありません。他のホームを探す、別の選択肢を考える。そうした判断ができます。
段階的に慣れることができる 最初は1泊、次は2泊、そして週末。少しずつ時間を延ばすことで、徐々に慣れていけます。
具体的なイメージが持てる 「グループホーム」という抽象的な概念が、具体的なイメージになります。「こういう生活をするんだ」という理解が、不安を軽減します。
体験入居の一般的な流れ
有限会社リラックスのグループホームでの体験入居は、次のような流れで進みます。一つ一つ丁寧に進めていくので、安心してください。
お問い合わせ・ご相談
まずは、お電話やメールでお問い合わせください。この段階では、まだ何も決まっていなくて大丈夫です。「ちょっと話を聞いてみたい」という軽い気持ちで構いません。
伺う内容 ご本人の状況(年齢、障がいの種類や程度、現在の生活状況)、ご家族の希望や心配事、体験入居を考えているタイミングなど。
これらを丁寧に伺います。無理に決めさせることは一切ありませんので、ご安心ください。
お伝えすること グループホームの概要、体験入居の流れ、費用、空き状況など。
疑問に思うことは、どんな小さなことでもお尋ねください。
見学・面談
実際のホームを見学し、支援内容や生活の様子をご説明します。
見学のポイント 居室、共用スペース(リビング、ダイニング、浴室、トイレ)、周辺環境(買い物、病院、公共交通機関)を見ていただきます。
実際に他の入居者さんが生活している様子も、プライバシーに配慮しながらご覧いただけます。
面談の内容 ご本人の生活習慣(起床時間、就寝時間、食事の好み、入浴の頻度)、得意なこと、苦手なこと、こだわり、医療面の配慮事項(服薬、通院)、緊急時の連絡先など。
できるだけ詳しく教えていただくことで、より良い支援ができます。
質問の時間 疑問や不安、気になることを何でもお聞きください。「こんなこと聞いていいのかな」と思うようなことでも、遠慮なくどうぞ。
体験入居の日程調整
数日間からの短期体験が可能です。ご本人とご家族の都合に合わせて、柔軟に対応します。
期間の設定 最初は1泊2日から始めることをお勧めします。慣れてきたら、2泊3日、週末、1週間と延ばしていくこともできます。
無理のない範囲で、少しずつ慣れていくことが大切です。
持ち物の準備 着替え、洗面用具、常備薬、その他必要なもの。リストをお渡ししますので、それに沿って準備していただきます。
わからないことがあれば、何でもお尋ねください。
体験入居の実施
日常生活を体験しながら、職員が必要な支援を行います。
一日の流れ 朝の起床、朝食、日中活動(外出、趣味の時間、テレビ視聴など)、昼食、午後の活動、夕食、入浴、就寝。
普段の生活と同じように過ごしていただきます。特別なことをするのではなく、日常を体験することが目的です。
職員のサポート 必要に応じて、起床の声かけ、食事の準備と片付けのサポート、服薬の確認、入浴の介助、就寝の声かけなどを行います。
ご本人のペースを尊重しながら、必要な支援を提供します。
記録の作成 体験中の様子を記録し、後の振り返りに活用します。どんな表情をしていたか、何を話したか、どんな活動を楽しんだか。細かく記録します。
振り返り・今後の相談
ご本人・ご家族と一緒に感想や不安点を共有します。
振り返りの内容 ご本人の感想(楽しかったこと、困ったこと、また来たいか)、保護者の方の印象(安心できたか、気になった点)、職員からの報告(様子、気づいた点、今後の支援のポイント)。
これらを率直に話し合います。
今後の相談 正式な入居を希望するか、もう少し時間をかけて考えるか、他のホームも見学するか。次のステップを一緒に考えます。
無理に決める必要はありません。ご本人とご家族が納得できるまで、何度でも相談に応じます。
このように、段階を踏みながら進めることで、不安を最小限に抑えることができます。一つ一つのステップを大切に、焦らず進めていきましょう。
体験入居でよくある保護者の不安
体験入居を検討する際、保護者の方からは次のような不安をよく伺います。これらは、とても自然で、当然の心配です。
本人がなじめるか心配
新しい環境への適応 「うちの子は環境の変化が苦手。新しい場所でパニックを起こさないか」「知らない人ばかりの中で、やっていけるのか」。
こうした心配は、よくわかります。でも、だからこそ体験入居があります。少しずつ、段階的に慣れていくことができます。
他の入居者との関係 「他の人とうまくやれるか」「トラブルを起こさないか」。
グループホームでは、職員が間に入り、適切な距離感を保てるようサポートします。無理に仲良くする必要はありません。それぞれのペースで、穏やかに過ごせる環境を作ります。
トラブルが起きたときの対応は?
緊急時の連絡体制 夜間でも、何かあればすぐに保護者の方に連絡します。また、必要に応じて医療機関とも連携します。
職員の対応力 職員は、様々な場面に対応できるよう研修を受けています。パニック、体調不良、怪我。どんな時でも、適切に対応できる体制があります。
生活面のサポートはどこまでしてもらえるのか
支援の範囲 食事、入浴、服薬、金銭管理、外出のサポートなど。必要な支援は、個別支援計画に基づいて提供します。
「どこまでやってもらえるのか」は、体験入居で確認できます。実際に見て、感じて、判断してください。
自立とサポートのバランス グループホームは、「全部やってもらう場所」ではなく、「できることは自分でやり、必要なところはサポートを受ける場所」です。
ご本人の自立を尊重しながら、必要な支援を提供します。このバランスが、グループホームの特徴です。
将来的に自立できるのか
自立への道のり グループホームでの生活を通じて、生活スキルが向上することもあります。料理、掃除、買い物、金銭管理。少しずつ、できることが増えていきます。
ただし、「自立」の形は人それぞれです。一人暮らしができるようになることだけが自立ではありません。支援を受けながら、自分らしく暮らすことも、立派な自立です。
長期的な視点 グループホームは、一生涯暮らす場所になることもあります。リラックスでは、その方の人生に長く寄り添う覚悟を持っています。
これらの不安は、とても自然なものです。体験入居は、そうした不安を「実際に見て、感じて、確認する」ための大切な機会でもあります。
不安軽減につながるリラックスの取り組み
有限会社リラックスでは、体験入居を安心してご利用いただけるよう、次の点を大切にしています。
ご本人のペースを尊重した支援
急がせず、無理強いせず、その方のペースで。これが、リラックスの支援の基本です。
「早くこれをしてください」ではなく、「準備ができたら、一緒にやりましょう」。こうした姿勢が、安心感を生みます。
小さな変化や表情を見逃さない関わり
ちょっとした表情の変化、言葉のニュアンス、行動の違い。小さなサインを見逃さず、適切に対応します。
「いつもと違うな」と気づくことが、良い支援につながります。
ご家族へのこまめな情報共有
体験入居中も、定期的に様子をお伝えします。「今日はこんな様子でした」「こんなことを楽しんでいました」。
安心していただけるよう、こまめに連絡します。
無理な利用開始を勧めない姿勢
「まだ早い」「もう少し考えたい」。そう感じたら、それを尊重します。無理に入居を勧めることは、一切ありません。
ご本人とご家族が納得できるまで、何度でも相談に応じます。
「合わなかったらどうしよう」という心配も含めて、正直にお話しいただける関係づくりを大切にしています。
体験入居は"将来への準備期間"
体験入居は、「今すぐ親元を離れる」ためのものではありません。将来に向けて、次のような準備をするための期間です。
選択肢を知る
「グループホームってこういうところなんだ」「こういう暮らし方もあるんだ」。知ることで、選択肢が広がります。
段階的に慣れていく
いきなり入居するのではなく、少しずつ慣れていく。この段階的なアプローチが、スムーズな移行を可能にします。
ご本人の可能性を広げる
「自分にもできるかもしれない」。新しい環境での生活を通じて、ご本人の可能性が広がることもあります。
親元を離れて生活することで、意外な能力が発揮されることもあります。「家ではこんなことしなかったのに」という驚きの声もよく聞きます。
保護者の方の安心感
「将来、この子がどうなるか」という漠然とした不安が、「こういう場所がある」という具体的な安心感に変わります。
春に向けて動き始めることで、気持ちにも時間にも余裕をもつことができます。焦らず、でも着実に。準備を進めていきましょう。
リラックスのグループホームの特徴
有限会社リラックスのグループホームには、次のような特徴があります。
一人ひとりに合わせた支援
画一的なルールではなく、一人ひとりの生活リズムや希望に合わせます。
地域とのつながり
地域の一員として、地域とのつながりを大切にします。お祭り、行事、買い物。地域の中で暮らす実感を持てるよう支援します。
24時間の見守り体制
夜間も職員が常駐し、安心して眠れる環境を提供します。
医療機関との連携
提携している医療機関と連携し、健康管理もしっかりサポートします。
一生涯にわたる支援
リラックスは、児童発達支援から高齢者介護まで、幅広いサービスを提供しています。ライフステージが変わっても、ずっと関わり続けることができます。
保護者の方へのメッセージ
グループホームを考えることは、決して「子どもを手放すこと」ではありません。「子どもの未来を準備すること」です。
親がいつまでも元気でいられるわけではありません。その現実を見据えて、今から準備をすることは、親としての責任であり、愛情です。
また、ご本人にとっても、親元を離れて暮らすことが、新しい可能性を開くこともあります。親の前では見せない顔、親がいない場所で発揮される力。そうしたものがあることも、事実です。
罪悪感を持つ必要はありません。「こんなに早く手放すなんて」と自分を責める必要もありません。お子さんの幸せな未来のために、最善の選択をしようとしているのです。
おわりに
新年は、これからの暮らしを考える大切な節目です。グループホームの体験入居は、ご本人にとっても、ご家族にとっても、不安を減らしながら将来を考える第一歩になります。
「まだ早い」と思っても、情報を知っておくことは大切です。「いつか」のために、「今」準備をする。その姿勢が、将来の安心につながります。
有限会社リラックスでは、成人障がい者の方とそのご家族に寄り添い、一人ひとりに合った暮らし方を一緒に考えています。体験入居や見学のご相談は随時受け付けておりますので、「少し話を聞いてみたい」という段階でも、どうぞお気軽にお問い合わせください。
電話でもメールでも、どちらでも構いません。「こんなこと聞いていいのかな」と思うようなことでも、遠慮なくお尋ねください。
地域に根ざした支援を通して、安心できる新しい暮らしへの準備を、これからも支えていきます。
ご本人の笑顔が輝く場所、ご家族が安心できる場所。それがリラックスのグループホームです。
新しい年が、ご本人とご家族にとって、希望に満ちた一年になりますように。